親が亡くなった後や、実家を手放すときに必要になるのが遺品整理です。業者に頼む場合の費用は、1R・1Kなら数万円、3LDKなら18万〜50万円程度が目安で、荷物の量や建物の条件で大きく変わります。この記事では、間取り別の費用の目安、費用が上がる理由、安く抑えるコツ、業者とのトラブルを防ぐポイントを解説します。片付けの進め方は実家の片付けはどう進める?で紹介しています。
遺品整理の費用相場【間取り別】
| 間取り | 費用の目安 | 作業人数 | 作業時間 |
|---|---|---|---|
| 1R・1K | 3万〜8万円程度 | 1〜3名 | 1〜3時間 |
| 1DK | 4万〜13万円程度 | 2〜3名 | 2〜4時間 |
| 1LDK | 6万〜20万円程度 | 3〜4名 | 2〜6時間 |
| 2DK | 8万〜24万円程度 | 3〜5名 | 4〜6時間 |
| 2LDK | 10万〜30万円程度 | 3〜7名 | 4〜10時間 |
| 3DK | 15万〜44万円程度 | 3〜7名 | 1〜2日 |
| 3LDK | 18万〜50万円程度 | 4〜10名 | 1〜2日 |
| 4LDK以上 | 22万〜60万円程度 | 4〜15名 | 1〜2日以上 |
※複数の遺品整理業者が公開している料金の目安をもとにした幅です。業界団体などがまとめた公式の相場はないため、実際の金額は必ず見積もりで確認してください。
一軒家の実家は、長年の荷物が押し入れや物置、庭にまで残っていることが多く、同じ間取りでも上の目安より高くなりやすい傾向があります。
費用が上がりやすいケース
- 荷物の量が多い:費用を最も左右するのは間取りより物量です
- 搬出しにくい:エレベーターのない3階以上、トラックを家の前に停められない立地では、人手と時間が増えます
- 特殊清掃が必要:孤独死の現場やごみが積み重なった部屋では、清掃・消臭の費用が別にかかります
- 処分しにくい物がある:灯油、バッテリー、消火器、仏壇などは別料金になることがあります
- 繁忙期:引っ越しが重なる3〜4月や、年末は予約が取りにくく、割高になることがあります
費用を安く抑える4つのコツ
- 2〜3社から見積もりを取る:現地を見てもらい、内訳が書かれた見積書を比べます
- 自分たちでできる分は先に片付ける:衣類や本などは自治体のごみ収集に出せます。粗大ごみは、たとえば東京都杉並区では持ち込みなら1点400円です(自治体によって異なります)
- 買い取りできる物を活かす:家具・家電・骨董品・貴金属などは、買い取り額を作業費から差し引いてもらえる業者があります
- 時期をずらす:急がない場合は繁忙期を避けると、日程も費用も調整しやすくなります
業者とのトラブルに注意
国民生活センターには、遺品整理サービスについて「見積もりの2倍の金額を請求された」「残しておくはずの物まで処分された」といった相談が寄せられています。2025年にも、口頭で20万円と言われていたのに作業後に30万円を請求された事例が紹介されています。
また、家庭から出るごみを廃棄物として収集・運搬できるのは、市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けた業者か、委託を受けた業者だけです。環境省は、無許可の回収業者による不法投棄や高額請求に注意するよう呼びかけています。
| 確認すること | なぜ必要か |
|---|---|
| 見積書を書面でもらう | 口頭だけだと、後から追加請求されても証拠が残らない |
| 追加料金の条件 | どんな場合に、いくら増えるのかを事前に知っておく |
| ごみの処分方法 | 一般廃棄物処理業の許可業者に頼むのか、提携先があるかを確認する |
| 古物商の許可 | 買い取りをする業者は古物商許可が必要 |
| 残す物の指定方法 | 貴重品・写真・書類など、捨ててはいけない物をどう伝えるか決めておく |
| キャンセル料 | いつから、いくらかかるか |
「遺品整理士」という民間資格もあり(一般財団法人遺品整理士認定協会)、業者選びの目安の一つになります。ただし資格があれば安心というわけではないため、見積書の内容と対応で判断しましょう。
相続放棄を考えているなら、片付ける前に注意
親に借金があるなどで相続放棄を考えている場合、遺品を処分したり売ったりすると、相続を認めた(単純承認した)とみなされ、放棄できなくなるおそれがあります(民法921条)。相続放棄の期限は、原則として「自分のために相続が始まったことを知った時から3か月以内」です(民法915条)。迷っている場合は、遺品整理を始める前に弁護士や司法書士に相談しましょう。
遺品整理の基本的な流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 家族で方針を決める | いつまでに、誰が、残す物・形見分けをどうするか |
| 2. 貴重品・重要書類を探す | 通帳、印鑑、権利証、保険証券、遺言書など |
| 3. 見積もりを取る | 2〜3社に現地を見てもらう |
| 4. 作業日を決めて立ち会う | 残す物の最終確認をする |
| 5. 仏壇・神棚の供養 | 必要に応じて寺院に供養を依頼する(仏壇・位牌はどうする?) |
よくある質問
Q. 遺品整理の費用は誰が払いますか?
A. 決まりはなく、相続人で分担するか、相続財産から支払うことが多いです。後でもめないよう、事前に相続人どうしで話し合っておきましょう。ただし相続放棄を考えている場合は、相続財産から支払う前に専門家に相談してください。
Q. 遠方に住んでいても頼めますか?
A. 立ち会わずに作業し、写真で報告してくれる業者もあります。ただし、残す物の確認のために、見積もりか作業のどちらかには立ち会えると安心です。
Q. 遺品整理の後、家はどうすればよいですか?
A. 売る・貸す・残すのどれにするかを家族で決めます。判断のポイントは相続した実家は売る?貸す?残す?、売却の進め方は空き家を売却する流れと査定の取り方で解説しています。
まとめ
遺品整理の費用は、1R・1Kなら数万円、3LDKなら18万〜50万円程度が目安ですが、荷物の量や搬出の条件で大きく変わります。書面の見積もりを2〜3社で比べ、自分でできる分は先に片付け、買い取りも活用すると費用を抑えやすくなります。相続放棄を考えている場合は、片付ける前に専門家に相談しましょう。実家じまい全体の流れは実家じまいとは?をご覧ください。
参考にした情報
- 独立行政法人国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月)、「見守り新鮮情報」第525号(2025年)
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください」
- e-Gov法令検索「民法」第915条・第921条
- 杉並区「粗大ごみの持ち込み」
- 遺品整理業者各社の公開している料金の目安

