親が施設に入った、親が亡くなって実家に誰も住まなくなった。そんなときに考えることになるのが「実家じまい」です。何から手をつければよいか分からず、気づけば何年も空き家のまま、というケースも少なくありません。この記事では、実家じまいの全体の流れと、始めるタイミングの考え方を整理します。
実家じまいとは
実家じまいとは、親が暮らしていた家の中を片付け、家そのものを売却・賃貸・解体などの形で整理することを指します。法律上の決まった言葉ではなく、「墓じまい」と同じように、家族の負担を減らすための整理全体を表す言い方として使われています。
実家じまいには、大きく分けて次の3つの作業が含まれます。
- 家財の片付け(遺品整理・不用品の処分)
- 名義や相続の手続き(相続登記など)
- 家と土地をどうするかの決定(売る・貸す・残す・解体する)
実家じまいを考え始めるタイミング
よくあるきっかけは次のようなときです。
- 親が高齢者施設に入居した、子ども世帯と同居を始めた
- 親が亡くなり、相続が発生した
- 空き家の管理(草取り・換気・郵便物の確認)が負担になってきた
- 固定資産税や光熱費の基本料金など、維持費が気になり始めた
相続した実家は、売るかどうか決められないまま数年が過ぎることが多いと言われています。ただ、空き家の期間が長くなるほど建物は傷みやすく、売却や賃貸の条件も悪くなりがちです。「すぐに手放す」と決めなくても、まずは現状を把握することから始めるのがおすすめです。
実家じまいの全体の流れ
一般的な流れは次のとおりです。家族の事情によって順番が前後することもあります。
- 家族で方針を話し合う:誰が中心になって進めるか、費用をどう分担するかを決めます
- 名義と権利関係を確認する:登記簿で所有者を確認し、相続が発生していれば相続登記を進めます
- 家財を片付ける:貴重品・思い出の品を仕分けし、残りを処分します
- 家の行き先を決める:売却・賃貸・解体・当面は管理して残す、のいずれかを選びます
- 手続きと引き渡し:売買契約や解体工事、公共料金の解約などを行います
全体では、短くても数ヶ月、片付けや話し合いに時間がかかると1年以上になることもあります。
実家じまいで最初にやっておきたいこと
方針が決まる前でも、次のことは早めにやっておくと後が楽になります。
- 権利証(登記識別情報)、固定資産税の納税通知書、建物の図面などの書類を探しておく
- 通帳・印鑑・保険証券など、片付けで紛失しやすい貴重品を先に確保する
- 空き家になる場合は、郵便物の転送届を出し、ポストに郵便物がたまらないようにする
- 水道・電気・ガスを止めるか残すかを決める(換気や掃除で使うなら一部残す選択もあります)
墓じまいと一緒に考えておきたいこと
実家じまいを考える時期は、お墓の今後を考える時期と重なることがよくあります。実家の近くにお墓があり、実家を手放すとお墓参りに通う拠点がなくなる、というケースです。
実家とお墓のどちらも「遠方にあって管理できない」状態になると、家族の負担は大きくなります。片方だけ先に決めると、あとで「やはりお墓も移しておけばよかった」となることもあるため、両方の見通しをまとめて家族で話し合っておくと安心です。墓じまいの基本的な流れは墓じまいとは?基本的な流れと必要な手続きを解説で紹介しています。
よくある質問
Q. 実家じまいは親が元気なうちに始めてもよいですか?
A. はい。親が元気なうちに、残したい物や家の今後について希望を聞いておくと、相続後の話し合いがスムーズになります。片付けも少しずつ進められるため、負担を分散できます。
Q. 実家じまいは誰が進めるものですか?
A. 決まりはありませんが、実家の近くに住む家族や、相続で家を引き継ぐ人が中心になることが多いです。費用や作業の分担は、早めに兄弟姉妹で話し合っておくことをおすすめします。
まとめ
実家じまいは、片付け・相続の手続き・家の行き先の決定という3つの作業からなります。すぐに手放すと決めなくても、書類の確認や貴重品の確保など、早めにできることから始めておくと安心です。お墓のことも含めて、家族で全体の見通しを共有しておきましょう。

