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墓じまいの総額を最も大きく左右するのは、取り出した遺骨を移す「改葬先」です。費用の目安は、公営の合祀墓なら1体5万〜13万円程度、樹木葬は平均71.7万円、納骨堂は平均81.5万円、一般墓は平均152.0万円。委託の海洋散骨なら5万円程度からと、選び方で100万円以上の差が出ます。この記事では、主な改葬先の費用と特徴を表で比べ、選ぶときのポイントを解説します。今のお墓を片付ける費用は墓じまいの費用相場はいくら?をご覧ください。
改葬先の費用・特徴の比較表
| 改葬先 | 費用の目安 | 年間管理費(一般的な傾向) | 後から遺骨を取り出せるか |
|---|---|---|---|
| 合祀墓(合葬墓) | 公営なら1体5万〜13万円程度(民間は施設により異なる) | かからないことが多い | できない |
| 樹木葬 | 平均71.7万円 | かからないことが多い | 合祀前なら可能な施設が多い |
| 納骨堂 | 平均81.5万円 | かかる施設が多い | 使用期間中なら可能な施設が多い |
| 海洋散骨 | 委託5万〜10万円程度/合同10万〜30万円程度/貸切15万〜50万円程度 | かからない | できない |
| 手元供養 | ミニ骨壺1万〜3万円程度、遺骨ペンダント5千円〜 | かからない | 可能(手元にある) |
| 一般墓(新しく建てる) | 平均152.0万円(墓石代101.7万円+土地利用料46.5万円など) | かかる | 可能 |
※樹木葬・納骨堂・一般墓の平均額と内訳は、鎌倉新書「第17回 お墓の消費者全国実態調査(2026年)」の数値です。公営の合祀墓は東京都立霊園の令和8年度募集の使用料の例、散骨・手元供養は事業者の公開情報をもとにした幅です。
今、選ばれている改葬先
同じ調査で、新しく購入されたお墓の種類は、樹木葬が47.4%と最も多く、次いで合祀墓・合葬墓が16.4%、納骨堂15.5%、一般墓15.2%でした。樹木葬・合祀墓・納骨堂の3つだけで約8割を占め、お墓を継ぐ人がいなくても利用できる形が主流になっています。
改葬先ごとの特徴
合祀墓(合葬墓)
最初からほかの方の遺骨と一緒に埋葬する形で、費用を最も抑えやすい改葬先です。東京都立霊園の令和8年度の募集では、合葬埋蔵施設の使用料は、直接合葬するタイプが遺骨1体あたり5.3万〜6.1万円、一定期間個別に安置してから合葬するタイプが13.1万円でした。ただし、一度納めると遺骨を取り出せません。詳しくは合祀墓とは?をご覧ください。
樹木葬
樹木や草花を墓標にするお墓で、年間管理費がかからない施設が多いのが特徴です。合祀型・共同型・個別型で金額が大きく変わります(樹木葬とは?)。
納骨堂
屋内の施設に遺骨を安置する形で、駅に近く通いやすい施設が多くあります。購入費用とは別に年間管理費がかかることが多いので、使用期間全体でいくらかかるかを比べましょう(納骨堂とは?)。
海洋散骨
粉状にした遺骨を海にまく方法で、お墓を持たないため維持費がかかりません。業者に任せる委託散骨、ほかの家族と乗り合う合同散骨、船を貸し切る個別散骨があります。厚生労働省は2021年に「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」を示し、遺骨を粉状にすること、海岸から一定以上離れた海域で行うこと、地域や漁業者への配慮などを求めています。家族で船に乗って見送りたい場合は、たとえば家族みんなで送る”乗船”海洋散骨【海洋記念葬 シーセレモニー】(PR)のような乗船プランもあります。注意点は散骨とは?で解説しています。
手元供養
遺骨の一部を小さな骨壺やペンダントに納めて自宅で供養する方法です。散骨や合祀墓と組み合わせて、一部だけ手元に残す人も多くいます。粉骨を頼む場合は1柱8千〜3万円程度(1万〜2万円が中心)が目安です(手元供養とは?)。
一般墓
新しい墓地に墓石を建てる従来の形です。費用は最も高くなりますが、家族で代々使えます。継ぐ人がいるかどうかを考えて選びましょう。
改葬先を選ぶ手順
| ステップ | 考えること |
|---|---|
| 1. 継ぐ人がいるか | いなければ、合祀墓・樹木葬・納骨堂・散骨など継承が不要な形から選ぶ |
| 2. お参りを続けたいか | 続けたいなら通いやすい納骨堂・樹木葬、こだわらないなら合祀墓・散骨 |
| 3. 予算 | 撤去費と合わせた総額で考える。維持費の有無も確認 |
| 4. 遺骨の数 | 古いお墓は何人分もの遺骨があることも。人数分の費用がかかるか確認 |
| 5. 家族の合意 | 散骨や合祀は取り消せないため、親族の理解を得てから決める |
比較するときのポイント
- 人数分の費用を出す:多くの施設は1人あたりの料金です。移す遺骨の数をかけて比べましょう
- 維持費も合計する:年間管理費×使用年数を加えると、本当の差が見えます
- 取り出せるかを確認する:合祀や散骨は後から変更できません
- 公営も候補に入れる:費用は安めですが、募集時期や応募資格に条件があります
見学時のチェックポイントは永代供養墓の見学で確認したい7つのポイントにまとめています。
よくある質問
Q. 一番安い改葬先はどこですか?
A. 費用だけで見ると、委託の海洋散骨や公営の合祀墓が安くなりやすいです。ただし、どちらも後から遺骨を取り出せないため、家族の気持ちも含めて決めましょう。
Q. 遺骨を別々の場所に分けてもよいですか?
A. できます。一部を手元供養にし、残りを合祀墓や散骨にする方法もあります。分骨の手続きは分骨とは?で解説しています。
Q. 改葬先は墓じまいの前に決める必要がありますか?
A. はい。お墓や納骨堂に移す場合は、改葬許可の申請に改葬先の受入証明書が必要なため、先に決めておく必要があります。散骨や手元供養には受け入れ先がなく受入証明書が出ないため、遺骨を取り出すときの手続き(改葬許可が要るか、代わりの書類が必要か)を、お墓のある自治体に事前に確認しましょう。
まとめ
改葬先の費用は、合祀墓や散骨なら数万円から、樹木葬は平均71.7万円、納骨堂は平均81.5万円、一般墓は平均152.0万円が目安です。継ぐ人の有無、お参りの続け方、人数分の費用と維持費、取り出しの可否を比べて選びましょう。墓じまい全体の流れは墓じまいとは?で解説しています。
参考にした情報
- 株式会社鎌倉新書「【第17回】お墓の消費者全国実態調査(2026年)」
- 東京都「令和8年度 都立霊園の使用者を募集」
- 厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(2021年3月)
- 散骨・手元供養の事業者各社の公開している費用の目安

